2025年5月21日、日産自動車は6世代目となる新型「マイクラ」(日本名マーチ)を、2025年後半に欧州市場で販売を開始すると発表。SUVライクなアグレッシブなデザインのコンパクトカーに生まれ変わった新型「マイクラ」は、BEV(電気自動車)として2年ぶりに再スタートを切る。キュートなヘッドライトが新世代感をアピール日産のグローバルコンパクトカー「マイクラ」(日本名マーチ)。残念ながら2023年をもって5世代続いた生産が中止となったが、このたび6代目として2025年後半に欧州市場で復活することが明らかにされた。しかもBEV(電気自動車)としてだ。BEVに生まれ変わった「マイクラ」。SUVルックが新鮮だ。デザインは英・ロンドンにある日産デザインヨーロッパ(NDE)が担った。特徴的なのが、なんといってもSUVを思わせるフォルムだ。そこにナンバープレートからボンネットに向かって傾斜するクリーンなサーフェスからわずかに突き出た、キュートなヘッドランプがアクセントを創り出している。そして、ヘッドランプが左右に脈動する、ドアロック解除時の「ウェルカムウィンク(いらっしゃい)」やドアロック時の「フェアウェル(ご機嫌よう)」機能も心和ませる演出だ。テールランプはLEDで、シンプルながらも華やかなデザインの円状系とされている。足元は全グレードに18インチホイールが装着される。タイプ的には、「アクティブ」のホイールカバーと「アイコニック」/「スポーツ」用アルミホイールの3種類が用意されている。ドアのロック開閉時にヘッドライトが左右に脈動。乗員へのご挨拶だ。ボディカラーは14種類用意され、ツートンカラーはボディカラーと黒またはグレーのルーフカラーとが組み合わされる。ボディ形状は5ドアのみとなる。ロングホイールベースで余裕の室内空間と荷室容量を確保インテリアは、歴代モデル同様にシンプルで控えめながら優雅さを感じるデザインとされた。富士山をモチーフとした前席収納スペースのデザインなどが、さりげなく日本らしさを表現する。インパネのステアリング側に10.1インチディスプレイ、その右側に10.1インチタッチスクリーンディスプレイが装備される。インパネのステアリング側には10.1インチのディスプレイ、その右側には同サイズのタッチスクリーンディスプレイが装備される。前者は運転に必要な情報をドライバーに提供し、後者はナビゲーションやオーディオ、電話操作などに対応する。シートの仕様は「モダン」、「アウダシアス」、「チル」の3グレードに応じて異なるが、ともにプレミアムな空間に仕上げられている。全長4メートル未満、幅1.8メートル未満のコンパクトながら、同クラスでは長めといえる2.54mのホイールベースや車両の四隅にホイールを配置するレイアウトで、室内空間も十分に確保されている。それらは、機敏性や安定性といった走行性能の向上にも貢献しているという。ロングホイールベースと車両の四隅へのホイール配置は、余裕の室内空間確保だけでなく走行性能向上へのファクターにもなっている。コンパクトカーで気になる荷室問題もクリア。同クラスの平均レベルより広い、326L(VDA)の荷室容量を確保している。BEVとしての走行性能や乗り心地への向上を徹底追求BEVの新型「マイクラ」では、52kWhと40kWhふたつのバッテリーを選択できる。52kWhでの航続距離が408kmで、40kWhでの航続距離は308km。都会派のモデルとしては申し分ないし、ちょっとした遠乗りにも問題なさそうだ。同セグメントで最速の急速充電機能を持つ新型「マイクラ」。もちろんV2Lにも対応。充電は100kWの急速充電に対応し、15%から80%までを30分で完了することができる。これは同セグメント内で最速の急速充電性能という。標準でヒートポンプが装備されているため、バッテリー加熱の心配もない。また、バッテリーの電力を外部デバイスに供給(V2L)する機能も、当然備える。BEVとしての走行性能への目配りも徹底された。まずは、ライバル車に比べ大幅に軽量化された車両重量1400kg(40kWh/52kWhモデル:1524kg)。高い効率と優れたハンドリング性能を実現するためだ。そして、EVプラットフォームの限りなく低い位置に配置されたバッテリー。この重心の低さと、パッシブダンパーを利用するストラット型フロントサスペンション、マルチリンクリアサスペンションとの相乗効果で、優れた走行性能とクラス最高の乗り心地を提供する。ちなみに、Eプラットフォームはルノー傘下のAmpRとの共用だ。コネクテッド面では、Googleサービスを備えたNissanConnectが搭載される。NissanConnectのアプリを通じてバッテリーの充電状態や充電スケジュールや履歴の管理、さらに車の位置や車内空調など、さまざまな機能をリモートでコントロールすることが可能だ。バッテリー位置をできる限り低くすることで重心を下げ、高い走行性能と快適な乗り心地を実現。先進安全面では、高速道路をより快適で安心感を提供するプロパイロットアシストを搭載するほか、多くの先進運転支援技術が提供されるという。バッテリー別主要スペック【40kWバッテリー】●最高出力:90kW●最大トルク:225Nm●航続距離:308km●車両重量:1400kg【52kWバッテリー】●最高出力:110kW●最大トルク:245Nm●航続距離:408km●車両重量:1524kg*すべて認証前の社内測定値