北米日産が2027年モデルとなるフェアレディZ(現地名:Z)の改良情報を公開した。デビュー4年目に実施される今回のビッグマイナーチェンジでは、待望のNISMOへの6速MT追加に加え、ノーマルモデルのイメチェンも話題 これが初代S30型を彷彿とさせるいい顔なのよ!!【画像ギャラリー】ノーマルとは違うNISMOの6速MTを見て!(25枚)文:ベストカーWeb編集部/写真:日産自動車待望のNISMO 6速MT仕様とその専用チューニングフェアレディZ NISMO 2027年モデル。待望の6速MTを追加 まずは東京オートサロン2026でも話題を集めたNISMOの6速MT仕様。最高出力420hp、最大トルク384ポンドフィート(※北米スペック=約53.1kgm)というNISMO専用チューンの3.0リッターV6ツインターボエンジンに、ついにマニュアルトランスミッションが組み合わされる。 このNISMO専用6速MTは、単に標準モデルからの流用ではない 。高トルクに対応するため、専用のクラッチとプレッシャープレートを採用して強化が図られている。さらに、シフトレバーの比率を変更することで、シフトストロークを標準モデルよりも約5~6mm短縮 。これにより、ドライバーはより素早く、手応えのあるギアチェンジを楽しむことができる。 パワートレインの制御もMT専用にファインチューニングが施されている。スロットルおよび点火時期のコントロールを最適化することで、より鋭くアグレッシブなレスポンスと、持続的なトルクデリバリーを実現。これは、ドライバーがよりパワフルで満足感のある加速を体感できるように意図されたものだ。 また車内のエンジン音を演出するアクティブ・サウンド・エンハンスメントとアクティブ・ノイズ・キャンセレーションもMTに合わせて再調律され、スポーツモードでは吸排気音がよりドラマチックに増幅されるよう工夫されている。GT-R譲りのブレーキと徹底した軽量化で走りを研ぎ澄ますGT-R譲りのブレーキシステムを移植 走行性能の向上はトランスミッションだけにとどまらない。2027年モデルのNISMOにはR35型GT-Rから派生したフロントブレーキシステムが採用された。2ピース構造の鉄&アルミ製ブレーキローターは、冷却チャネルの改善によってサーキット走行時などの過酷な状況下において、ブレーキパッドの温度を従来比で約100℃低下させることに成功している。 さらに、この新型ブレーキの採用により、バネ下重量は左右合計で19ポンド(約8.6キロ)もの軽量化を達成した。日産のエンジニアはこのフロント重量の軽減に合わせてサスペンションを再チューニングし、より軽快で正確なハンドリングを実現している。 ステアリングフィールも改善された。ステアリングラックの内部摩擦を20%低減させる改修が行われ、コーナーでの修正舵が少なくて済む、より滑らかな旋回感覚を手に入れた。NISMOならではのダイナミックなパフォーマンスは、こうした細かな改良の積み重ねによって、より一貫性のある、完成度の高いものへと昇華されている。初代S30を彷彿とさせるフロントマスクへの刷新Zのノーマルモデル。開口部の形状変更で顔付きが変わった 今回のマイナーチェンジで、NISMO級の話題を呼びそうなのが標準モデルのイメチェンだろう。最大の特徴でもあった長方形の巨大なフロントグリルが刷新され、往年の名車である初代S30型をオマージュした意匠へと生まれ変わったのだ。 新しいフロントグリルは中央に水平バーが追加され、開口部が上下に分割されたようなデザインとなった。この造形変更は、単なる懐古趣味ではなく、冷却性能を維持しながら空気抵抗(ドラッグ)や揚力(リフト)を低減させるという空力的な最適化も兼ね備えている。また、フロントノーズのエンブレムは、従来の日産ロゴから「Z」ロゴのバッジへと変更され、より独自性の強いアイデンティティを打ち出している。 足もとのデザインも一新された。北米仕様の「Performance」グレードに採用された19インチ鍛造アルミホイールは、Z31型にインスパイアされたという花びらのようなスポーク形状が特徴で、ブラックのスポークにマシン仕上げのリムを組み合わせている。日本仕様にも導入されるはず。 さらに、新色の「シンカイグリーンパールメタリック」が登場 。これはS30型に採用されていたグリーンから着想を得たもので、特殊な顔料配合によって退色を防ぎつつ、日光の下で劇的なコントラストを生み出す深みのある色調に仕上げられている。インテリアの質感向上とサーキット走行を見据えた改良北米パフォーマンスグレードの追加されたタン内装。日本仕様でも期待できる! 車内においても、ファンの要望を反映した多くのアップデートが施された。同じく北米仕様の「Performance」には、要望の多かったタンカラーのインテリアを追加。シート表面だけでなく、ドアパネル下部、センターコンソール、ダッシュボードに至るまでタンカラーが配され、上質な空間を演出している。 機能面でのトピックは、最新の「Qi2」規格に対応した「おくだけ充電」の採用だ。マグネットによってスマートフォンを最適な位置に固定できるほか、充電器とデバイスの間に隙間を設けて冷却ファンで換気する仕組みを取り入れ、充電時の過熱を抑制しつつ、最大15wの高速充電を可能にしている 。 クルマのハードウェア面でも見逃せない変更がある。全グレードの燃料タンク内にバッフルが追加されたのだ。これはサーキットでの高G旋回時に、燃料ポンプ周りの燃料レベルを安定させ、燃料欠乏を防ぐための措置。熱心なオーナーたちがこのクルマでアグレッシブな走りを楽しんでいることを受け、日産がその声に回答した形だ。 さらに、システムを起動する際には、歴代のZがアニメーションで登場する新しいスタートアップシーケンスも追加され、オーナーの所有欲をくすぐる演出がなされている。北米での発売は2026年夏とアナウンスされており、日本市場への導入もおそらく7月頃になると予想される。価格などの詳細は今後の発表を待つ必要があるが、伝統と最新技術が高次元で融合した今回のマイナーチェンジは、まさにファンが求めていた理想の進化といえるだろう。